子供の乳歯は表面のエナメル質が薄く、歯質がやわらかいので、虫歯になりやすく、いったん虫歯にかかってしまうと進行が早いのが特徴です。「でも乳歯は永久歯に生え替わるから……」と乳歯の虫歯を放置すると、大切な永久歯にも悪影響を与えてしまうことがあります。
子供のお口の健康を守るには保護者の方のケアが欠かせません。千葉県柏市向原の歯医者「黒滝歯科」が、子供の虫歯予防についてお伝えします。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌が存在しないのをご存じでしょうか? 虫歯菌は、生活しているうちにまわりの大人からうつるのです。一般的には、お子様と一緒に過ごす時間が長いお母様からうつることが多く、母子感染と呼ばれていますが、実はご家族みなさんからうつる可能性も十分あるのです。
いつかは感染してしまうかもしれない虫歯菌ですが、できるだけその時期を遅らせることができると将来も虫歯になりにくいという報告があります。次の点に注意して3歳くらいまでは保護者が特に注意して虫歯菌の感染を防ぎましょう。
子供の口腔ケアは歯が生えたらスタートさせましょう。乳歯は生後6~7ヶ月で下の前歯から生え始めますので、食後にはガーゼで拭くなどして、できるだけ清潔に保つことが大切です。また虫歯と生活習慣には関連があります。食育の観点からも次の点に注意しましょう。
時間を決めずにダラダラ食べていると、お口の中が汚れている時間が長引き、虫歯にかかりやすい環境が続いてしまいます。飲食は規則正しく摂り、お口の中がきれいな時間を増やしましょう。
糖分は虫歯のエサになります。砂糖などが多く含まれるおやつは控え、シュガーレスやキシリトール入りのものや野菜スティック、小魚などもおやつに取り入れてみましょう。
ブラッシングができない場合は、お口をゆすぐだけでも虫歯予防の効果があります。 ブラッシングは小さなころからの習慣づけが大切です。
虫歯予防の基本は毎日のブラッシングです。お子様の歯の生え方や発育段階に合わせて、正しいブラッシング方法を指導します。保護者の仕上げみがきのコツもアドバイスしますので毎日のケアに活かしてください。
歯の表面に、歯質を強くし歯の再石灰化を促す効果があるフッ素を塗布します。フッ素塗布により、ごく初期の虫歯は治癒が期待できます。虫歯の予防効果を高めるためには定期的なフッ素塗布がおすすめです。
奥歯の溝は汚れがたまりやすく虫歯になりやすい部位です。そこをあらかじめレジン(歯科用プラスチック)で埋める処置がシーラントです。乳歯や生えたての永久歯の虫歯予防に有効です。
唾液にはお口の自浄作用があります。唾液テストでは、「唾液の量」「中和力」をチェックして、虫歯になりやすさを検査します。また虫歯菌の数の多さなども調べます。
虫歯の予防メニューとは異なりますが、お子様の反対咬合(受け口)の治すための矯正装置です。3歳くらいまでのお子様のためのマウスピースで、就寝時など毎日一定時間装着し、症状の改善を図ります。
妊娠すると心も身体もいつもと違う状態に変化します。ホルモンバランスが変わったり、つわりがあったり、食べ物の好みが変わったりとお口の環境も変化します。また口腔ケアが不十分になることもあり、妊娠中は虫歯や歯周病にかかりやすくなってしまうのです。そしてお口のトラブルは妊婦さんだけでなくお腹の赤ちゃんにも影響してしまいます。
妊娠中はいつも以上にお口のケアに気を配り、妊娠安定期に入ったら予防歯科を受診して、口腔ケアを受けましょう。